制度改正を味方につけろ!老後資金を蓄えるには

相次ぐ制度改正の影響を見極めろ

相次ぐ日本の制度改正に伴って、公的年金を始めとした老後資金にも影響が出てきている。この影響がどのように作用するのかを見定めることで、老後資金を作る上でのポイントを見定めることができます。

影響1 年金受給開始時期が75歳までに変更

今までは70歳までだった年金受給開始時期がさらに五年延長されて、75歳までに変更されました。これによって年金の繰り下げ受給時期も75歳までに。1ヶ月で0.7%の増額という制度は変わらないため、もし65歳受給開始予定の人が10年間繰り下げた場合は84%の増額となります。10年遅れるというデメリットを差し引いても、これは無視できない金額ですね。さらに75歳まで働くということは厚生年金によって受給額自体も引き上げられるため、老後はますます安泰になるでしょう。

影響2 基礎年金45年加入という変化がもたらす影響

いま国会では基礎年金45年加入案が浮上しています。仮に45年加入した場合として、夫婦共働きの場合は現行より1万円以上の給付額増加が見込める試算となります。年金財政もこれによって改善することが見込めるため、会社員の方にも恩恵のある影響となるでしょう。

影響3 在職老齢年金制度の見直し、そして在職定時改定

在職老齢年金制度とは、一定以上の収入があると年金が減額される制度。しかし64歳までの基準額が月28万円からなんと月額47万円までにアップしたため、減額される可能性が非常に下がりました。しかも65歳以降も厚生年金に加入しながら働いたとき、年に一回年金額が増額されるという在職老齢年金制度が導入されたことで、働けば働くほどトクできるという状態に。

影響4 短時間労働者でも厚生年金加入が可能に

パートやアルバイトなどの短時間労働者にとって困りの種だったのが厚生年金問題。ですが最近の厚生年金加入拡大に伴って、従業員の数は500人以上から100人以上に、勤務期間が2ヶ月を超えれば厚生年金に加入することが可能になりました。士業などの個人事業主も対象になっている上に、今後もこの拡大は続く予定です。厚生年金の土壌が潤うことで年金制度の改善も見込まれます。

影響5 NISAの永久化を検討中!iDeCoの制度改正も追い風

公的年金の受給開始年齢が拡大すると共に、iDeCoという個人型確定拠出年金の加入上限年齢と受け取り開始期間も合わせて上限年齢が引き上げられることになりました。これによって、年金制度はどんどん自由化していくことが予想されます。またNISAという少額投資非課税制度の恒久化も検討されており、いま老後資金をつくる土壌がどんどん整っている状態にあります。

まとめ 大事なのは情報を取捨選択すること

厚生年金に加入したり、公的年金を繰り下げ受給することで、公的年金を増やして老後を安泰にするという流れはどんどん広まっています。もちろん、老後も仕事ができれば安定収入が得られるためそもそも老後資金を作る必要性さえ薄まります。大事なのは自分で稼いでいくという意識です。情報を自分で仕入れ続けて、少しでも損のないライフワーク設計を心がけましょう。